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有機農業の草管理


本日は「映え」ない話題なのでブログにて。でも、とても大切なことをお伝えしたく。長文ですが是非ご覧ください。


草管理は農家の最重要課題。農家の世界では二言目には草管理。他にもっと大事なことがあるだろう、だから日本の農業は衰退するんでないか?と思いつつ、雑草生えまくりの畑はやはり見栄えが悪いし、虫を呼び込んでしまうので、大事であることは確か。て、本題はそこではありません。


雑草を除去することを「除草」などと言いますが、除草の仕方は沢山。ハンマーナイフモアや管理機といった機械を使って雑草を粉砕するのが上策(ガソリンは使いますが)。でも、道路極やお隣様との境界は機械を入れにくいんです。アスファルトを削ってしまったり、お隣様の設置物を破損してしまったりするからです。



こちらの写真の右側がファームの畑で、お隣様との境に雑草が元気に生えまくっている「映え」ない画像です。お隣様の畑には支柱とかロープが立ててありますね。機械を入れると、これらごと破壊してしまう恐れがあります。


そこで、三角ホーという道具を使って人力で雑草達を削り取ります。何人かの方に、鍬を使えばいいじゃないかと言われましたが、実は農業研修をさせて頂いた農場には鍬というものがなく、使ったことがほとんどないのです。その理由はよく分からないままですが、その流れでファームにも鍬はありません。て、本題はそこでもありません。


この雑草達、三角ホーを使って削り取るのに10m程度で30分ほどもかかりました。もっと馬力のある方ならもっと早くできるかもしれませんが、いずれにせよ、力仕事、泥が跳ね、汗だくになり、服も長靴も汚れます。そんな苦労はしたくないなあ。。。


そこで登場するのが「除草剤」です。除草剤を使おうと思ったことはないので、どのくらいの費用がかかるのか分かりませんが、少なくとも力仕事、泥跳ね、汗まみれ、服や靴が汚れるということはないでしょう。手取り早く、手を汚さず、コスパが良い、そういう大衆の欲求を満たしてくれるのが除草剤なんではないかと。





でも、草を枯らす化学物質を撒き散らした畑でできた野菜が体に良いとは思えません。それが体に良いか悪いか、それはコモセンスで分かることで、化学的根拠なんて必要ないと私は思います。頭も体も動かさずに食べて寝ていれば肥満になる。火を燃やせば周囲は暖かかくなる。その因果関係に化学的根拠は要りますか?子供でも分かること、それと同じことだと私は思います。


ここ大磯では、安心安全な食に対する意識がとても高い。特に選択の余地が少ない子供達にできるだけ安心安全なものを食べて育ってもらいたい。そんな切なる願いを感じる町です。先日、「食の安全を守る人々」の上映会に生産者としてご招待いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。


その映画は、米モンサント社が製造する「グリホサート」という有害物質が入ったラウンドアップという除草剤の被害に遭った御家族の奮闘記が中心に描かれていました(と私の目には映りました)。グリホサートという物質は人体に悪影響を及ぼす!そんなものを平然と販売している会社の責任を問う!という内容。でもアメリカは自由の国、自由に販売している会社の責任を問うにはそれだけの証拠(化学的根拠)が必要。それはどんなモノであれ販売する自由を奪うことになるから。一方、日本はどうでしょうか?どちらかというと規制の国。売るなら安全を証明してから売ってねというスタンスのハズ。でもアメリカ合衆国の外圧でラウンドアップの販売ができるように規制緩和した、理不尽であるというのが映画の内容(と私の目には映りました)。


しかし皮肉ですね。日本は戦争に負けてアメリカ合衆国の属州的存在になることにより自由と安全を与えてもらった。アメリカ合衆国の要求を拒否して属州から離れるということは、あなたの息子さんを軍隊に送り、あなたの息子さんの自由を奪い、手を汚して汗をかいて自分の国は自分達で守るということ。それだけの覚悟がありますか?手取り早く、手を汚さず、コスパが良いという大衆の欲求と戦う覚悟はありますか?モンサント社が売り出したラウンドアップというのは、そういう大衆心理が生み出した商品とも言えます。大衆心理と戦うほどの覚悟や勝算は私にはありません。でも、私達は、そういうものは「買わない」し「使わない」という権利を容易に行使することができます。それもアメリカ合衆国が与えてくれた権利かもしれませんが。。。有害物質を売る自由が行使できても、誰も買わなければ、いずれこの世から消滅するでしょう。

uramichi FARMはそういうケミカルを「使わない」自由を行使しています。「農薬まかずに野菜なんてできるわけがない、無農薬とか言ってる連中は夜中に農薬撒いてんだ」とか、「野菜1パックに100円以上払うなんでバカげている」とか、「人体に有害であるとの化学的根拠がない」といった方々には、どうぞラウンドアップを沢山ご使用いただき、ラウンドアッップを大量に撒布した畑でできた安価な野菜を沢山ご賞味いただければと思います。その価値観を変えてくださいと言うつもりは全くございません。ただただ、手を汚し、汗をかき、土まみれになり、手間をかけて野菜を作るだけです。その素晴らしさを一人でも多くの人と分かち合えればと思いつつ。


上の写真が手で草を刈り終わった図です。右の写真は手で草を刈りすぎて三角ホーが曲がってしまった図です。


以上、「映え」ないけれど、とても大事なことをお伝えしたつもりです。むしろ「映え」ない中にこそ重要なものが横たわっているようにも思える今日この頃です。もっと言いたいことは沢山ありますが、それは今後のブログでお伝えしていきたいと思います。


これは農活なのか、園主の偏思想なのか、カテゴライズが難しいなと思いつつ。

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